近年、「非認知能力」という言葉を耳にする機会が増えました。
非認知能力は、IQ(知能指数)やテストの点数、偏差値といった「目にみえる数字で評価できる力」ではありません。
そのため、「どうやて育てたらいいの?」と悩んでしまう方も多いでしょう。
今回は、非認知能力とは何なのか、どうやって伸ばしたらいいのかを、信頼できる情報源を元にリサーチし、詳しく解説します。
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非認知能力とは?

非認知能力とは、「テストでは測れない、一生モノの生きる力」のことです。
また、文部科学省の資料では、以下のように記載されています。
非認知能力とは、主に意欲・意志・情動・社会性に関わる3つの要素
(①自分の目標を目指して粘り強く取り組む②そのためにやり方を調整し工夫する③友達と同じ目標に向けて協力し合う。)からなる。
引用:文部科学省「中央教育審議会 初等中等教育分科会 幼児教育と小学校教育の架け橋特別委員会 ―第2回会議までの主な意見等の整理―」
これまでの教育では、読み書き計算といった「認知能力」が重視されてきました。
しかし、現代の教育心理学や経済学の世界では、人生の幸福度や成功を左右するのは、むしろ数値化できない「心」の部分にあることが分かっています。
具体的には、以下のような能力を総称して「非認知能力」と呼びます。
- 自分を律する力: 自制心、忍耐力、規律性
- やり抜く力(グリット): 目標に向かって継続する力、回復力(レジリエンス)
- 他者と関わる力: コミュニケーション能力、共感性、協調性、思いやり
- 前向きな心: 自己肯定感、自信、楽観性、意欲
これらはバラバラに存在するのではなく、互いに影響し合っています。
例えば、「自己肯定感」という土台があるからこそ、失敗を恐れずに挑戦する「意欲」が生まれ、困難にぶつかっても「忍耐力」で乗り越えられる、という循環が生まれるのです。
非認知能力が求められる理由

なぜ今、これほどまでに非認知能力が注目されているのでしょうか。
それには、世界的な研究結果と、変化の激しい社会背景が関係しています。
将来の「幸せ」を決定づけることが証明されているから
ノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・ヘックマン教授は、40年にわたる追跡調査「ペリー就学前プロジェクト」を通じて、驚くべき事実を明らかにしました。
質の高い幼児教育を受け、非認知能力を育んだ子どもたちは、成人後の年収が高く、持ち家率も高く、さらには犯罪率が低い傾向にあることが分かったのです。
つまり、幼少期の心の育て方が、一生の社会的・経済的安定に直結することが科学的に示唆されました。
ペリー就学前プロジェクトの研究結果は、文部科学省の資料でも紹介されています。
参考:文部科学省「人生 100 年時代構想会議 中間報告」P23
「正解のない時代」を生き抜く武器になる
AI(人工知能)の進化により、単純な知識や計算は機械が代替する時代になりました。
これからの子どもたちに求められるのは、「何を知っているか」ではなく、「未知の課題に対して、他者と協力しながら、どう立ち向かうか」です。
予測困難な現代(VUCA時代)において、自ら考え、行動し、折れない心を持つ非認知能力こそが、最強の生存戦略となると考えられています。
子どもの非認知能力を伸ばす方法

それでは、子どもの非認知能力はどうやって伸ばせば良いのでしょうか。
「結果」ではなく「課程(プロセス)」を褒める
親として最も意識したいのが「褒め方」です。
ついつい「100点とってすごいね!」「1位になって偉いね!」と結果を褒めてしまいがちですが、これは「結果が出なければ価値がない」というメッセージになりかねません。
- 「毎日コツコツ練習していたの、ママ見てたよ」
- 「最後まで諦めずに、自分で考えて工夫したんだね」
- 「失敗しても、もう一回やろうとした姿勢がかっこよかったよ」
このように、努力・工夫・試行錯誤といった「課程(プロセス)」を認めることで、子どもは「挑戦すること自体に価値がある」と学び、困難な課題にも前向きに取り組むようになると言われています。
子どもの「やりたい!」を尊重する
子どもが何かに没頭しているとき、脳はフル回転し、非認知能力が爆発的に伸びていると言われてす。
たとえそれが「ただの泥遊び」や「ひたすらミニカーを並べること」であっても、大人から見て無意味に見える遊びの中に、集中力や探究心が隠れているのです。
親の役割は、先回りして「次にあれをしなさい」と指示することではなく、子どもの好奇心に寄り添うこと。
「自分で選んだことを、満足するまでやり抜く」という経験が、自律性と自己決定感を育みます。
失敗を「学びのチャンス」ととらえる
子どもが失敗したとき、つい「だから言ったのに」「どうしてできないの」と叱ってしまうこともありますよね。
非認知能力の一つである「レジリエンス(折れない心)」を育てるためには、失敗したときに親がどう反応するかが重要だと言われています。
失敗は恥ずかしいことではなく、「どうすれば次はうまくいくか」を考えるためのデータにすぎません。
「残念だったね。次はどう変えてみる?」と一緒に作戦会議を開くことで、子どもは失敗を恐れず、改善し続ける力を身につけます。
感情に名前をつけ、コントロールさせる
自分の感情を抑え込むのではなく、上手に扱う力(エモーショナル・インテリジェンス)を育てるのが効果的です。
子どもがパニックになったり、お友達と喧嘩したりしたとき、彼らは自分の激しい感情の正体がわからず戸惑っています。
「あのおもちゃが欲しくて、悔しかったんだね」
「仲間外れにされて、悲しかったんだよね」
このように親が感情を言語化(ラベリング)してあげると、子どもは自分の気持ちを客観視できるようになります。
自分の心に名前がつくことで、少しずつ衝動を抑え、冷静に対処する「自制心」が芽生えるのです。
遊びの中から無理なく知識を身につけさせる
「勉強」として知識を詰め込むのではなく、遊びを通して自然に学ぶ環境を整えることが重要です。
例えば、ブロック遊びは空間把握能力だけでなく「崩れても作り直す忍耐力」を育て、絵本の読み聞かせは語彙力と同時に「他者の痛みを想像する共感性」を育みます。
外遊びでは、自然の不思議に触れることで「なぜ?」という探究心が磨かれ、集団遊びでは「ルールを守る」「順番を待つ」といった社会性の基礎が養われるでしょう。
遊びこそが、非認知能力の最高の教科書なのです。
非認知能力の伸ばし方がわかる本
続いては、「非認知能力の伸ばし方」が体系的によくわかる本を紹介します。
「非認知能力」の育て方~心の強い幸せな子になる0~10歳の家庭教育
0〜10歳の心の発達に焦点をあて、自己肯定感や共感力、粘り強さなどの非認知能力を家庭で育てる具体的な声かけや習慣を紹介する本です。
しつけや早期教育よりも、親子の対話や遊び、失敗を受け止める関わり方を重視し、「叱るより認める」関係づくりで子どもの土台を整えることを丁寧に解説しています。
子どもの未来が輝く「EQ力」
EQ(心の知能指数)をベースに、感情を理解しコントロールする力や、他者と協調する力を伸ばすメソッドをまとめた一冊です。
テストでは測れない共感性・自制心・コミュニケーション力を、家庭での会話のコツや承認の仕方、失敗への寄り添い方など、親が今日からできる具体的アクションとして示しているのが特徴です。
脳科学的に正しい! 子どもの非認知能力を育てる17の習慣
最新の脳科学知見を踏まえ、非認知能力を高める17の生活習慣を体系的に解説する本です。
睡眠・遊び・運動・対話など日常行動が脳に与える影響をわかりやすく示し、「しかるより仕組み」「結果よりプロセスをほめる」といった、行動ベースの工夫でやり抜く力やチャレンジ精神を伸ばす方法が具体例とともに紹介されています。
学力テストで測れない非認知能力が子どもを伸ばす
学力テストに現れない意欲・ねばり・協調性などが、将来の進学や職業、人生の満足度に大きく影響することを、研究事例とともに示す本です。
点数中心の子育てから、目標に向かって努力する態度や失敗から学ぶ姿勢を評価する視点への転換を提案し、家庭や学校で実践できる声かけや環境づくりを多数紹介しています。
自分から学べる子になる 戦略的ほったらかし教育
「放任」ではなく、親が先に環境とルールを整えたうえで、あえて子どもに任せることで自律心と学ぶ意欲を伸ばす方法をまとめた本です。
親の「手出し・口出し・先回り」を減らし、選択と失敗の経験を子どもに返すことで、自己決定感・責任感・探究心といった非認知能力を高める具体的なステップや家庭での事例が多数示されています。
子どもの非認知能力が伸ばせると話題の教材
続いては、「遊び」や「体験」を通じて子どもの非認知能力を伸ばせると話題の教材を幾つか紹介します。
こどもちゃれんじ
ベネッセの「こどもちゃれんじ」は、年齢に合ったおもちゃ・ワーク・映像を組み合わせ、遊びの中で生活習慣・コミュニケーション力・思考力の土台を育てる王道の幼児向け通信教材です。
エデュトイ(知育玩具)で試行錯誤する経験を積み、しまじろうの物語を通じて「気持ちの理解・ガマン・思いやり」を学べます。
自己肯定感や意欲など、非認知能力を自然に育みやすい構成になっているのが魅力です。
ワンダーボックス
ワンダーボックスは、アプリとキットを組み合わせたSTEAM教材で、パズル・プログラミング・アート・サイエンスなど「知的な遊び」に特化しています。
子どもが好きなコンテンツだけ選んでOKという設計で、「やりたい!」気持ちをとことん伸ばし、粘り強く考える姿勢や、自分で気づいて試す探究心・自信などの非認知能力への効果が実証されている点が特徴です。
非認知能力はおうち教育で無理なく伸ばそう!

非認知能力は、おうち教育でも無理なく伸ばすことができると言われています。
とはいえ、「〇〇しなきゃ!」と気負いすぎる必要はありません。
親が焦ってしまうと、それは子どもにとってプレッシャーになり、自己肯定感を下げてしまう原因にもなりかねません。
一番大切なのは、親自身が楽しそうに学び、失敗しても笑い飛ばし、他人に優しく接する姿を見せることです。
子どもは親の背中を見て、「世界は探求する価値がある場所だ」「失敗しても大丈夫なんだ」という安心感を学ぶそうです。
毎日「大好きだよ」と伝えたり、一緒に新しいことに挑戦してみたり、できることから始めましょう。

